Knowledge: Eco-leather
エコレザー:環境保護時代の革
2010年発行 「日本の革 3号」より
境先進国が集まるヨーロッパを中心に、1990年代から発達してきている人や環境に優しい革「エコレザー」。日本では006年に日本皮革技術協会と日本タンナーズ協会が協力して、「日本エコレザー基準(JES)」が制定されている。
エコレザーとは、上の表にあるような基準に適合し、製造から輸送、販売、再利用にいたるまでのサイクルで環境負荷を減らすことに配慮した革材料のこと。革そのものに含まれる成分だけでなく、製造に使われる素材の成分や、排水・廃棄物の処理が適正に行われているかなど、基準は細かく定められている。その認定は日本皮革産業連合会が行っている。基準をクリアした革や製品には、右下の図のような「日本エコレザー基準認定ラベル」を表示。このエレコザーのマークは、皮をなめすドラムが回転して皮となめし剤が勢いよく跳ねて躍動している様子を示しており、そこに「ECO」の文字と若葉、地球を象徴している。もともと天然素材である革ではあるが、より人や地球環境に優しい素材として、エコレザーはもっとナチュラルな素材として身近なものとなっていくに違いない。
日本エコレザー認定基準
●天然皮革であること
●排水、廃棄物処理が適正に管理された工場で製造された革であること
●臭気、化学物質(ホルムアルデヒド・重金属・PCP・禁止アゾ染料・発がん性染料の使用制限)および染色摩擦堅ろう度に関する一定の基準を満たしていること