Creative: Tsuchiya Kaban
土屋鞄製造所 軽井澤工房店:土屋鞄製造所の新たな挑戦
2015年発行 「日本の革 8号」より
始まりは一台のミシンから――1965年に創業した土屋鞄製造所は、 2015年6月に長野初の出店として軽井沢にランドセル工房の併設店をオープンさせた。品があり、歴史のある街でもある軽井沢。日本の文化と西洋の文化が融合してきた街並みは、どこか鞄づくりにも通じるものがある。節目の年に選ぶにはこれ以上なく相応しい土地だったのだろう。
森の中に佇む一軒の店は、和風モダンな外観で訪れたものをどこかほっと懐かしい気持ちにさせてくれる。入り口に続く石畳には革仕事に使われる道具を刻み、その遊び心も楽しい。「家族で訪れて、思い出の場所になるように」そんな願いが込められた店内は開放的な空間の中に、ランドセルから大人向けの革製品まで、まさに家族で楽しめる商品が並べられている。併設された工房はガラス越しに見学することもでき、注文したランドセルが届くまでの過程も楽しめる、といった趣だ。
大人から子どもまで、上質な革に触れて楽しめる贅沢な時間。軽井沢を訪れた際には、ぜひ足を運んでみてほしい。
創業者・土屋國男氏が使っていたというミシン。使い込まれた道具に、土屋鞄の歩みを感じる。
一つひとつの工程が、すべて手作業でつくられていく土屋鞄製造所のランドセル。そのパーツは、実に150以上!
丁寧な検品を繰り返しながら300を超える工程を経て手づくりされたランドセルは上質な存在感と丈夫さが魅力。軽井沢という特別な場所で衿を正しながら、職人たちは日々集中して作業に没頭している。
ベーシックな定番商品からシーズンアイテムまで、鞄をはじめとした大人向けの革製品も豊富。
四季折々の風景を楽しみながらランドセル選びができる。
静かな森の中に建てられた店。自然を感じる空間の中で、ゆったりとした時間を過ごせる。