Creative: Kyowa
協和:どっしりした存在感のある ステーショナリー
2014年発行 「日本の革 7号」より
高度経済成長期は、百貨店で買い物をすることがステータスだった。人々の暮らしが豊かになるにつれ、革製品の需要も高まっていった。当時、文具コーナーに置かれるステーショナリーといえば、ヨーロッパ製が大半だった。そんな中、海外製の半額以下で購入できる質の良い革を用いた丁寧なつくりの高級文具が発売された。
企画と開発を担当したのは鴻池製作所。当時は社内にラボがあり、芸大や美大を卒業したばかりの若手がデザインを考え、高度な技術を持つ職人がアイディアを形にした。堅牢なヌメ革を使った製品は海外の物にも引けをとらぬクオリティで、徐々にファンを増やし、大量生産を求められるまでになった。現在もKONOIKEブランドの人気は根強い。今後も変わらず、事業を譲渡した協和とともに、末永く使える革製品をつくり続けていくことだろう。
ビジネスバッグ、スーツケース、ランドセルが主力商品の協和だが、ステーショナリー以外のレザーアイテムにも徐々に力を入れ始めている。