Creative: CÉLENCEE
セレンシー:目指すのは、もう一歩先の未来。 日本の革はもっと成長していける
2015年発行 「日本の革 8号」より
ひとりの職人が一括で裁断から縫製を行い、丁寧な手仕事でつくられるセレンシーのハンドバッグ。人々に愛される商品をつくり続けてきたセレンシーが今、新たな挑戦を始めているという。
「もちろんハンドバッグはベースであり、軸となるもの。けれどハンドバッグだけ、というのでは、日本の革はもったいない」。今持っている武器はそのままに、次の世代へ繋げていけるものを。そのための技術力は持っている、と誇らしげに語ってくれた伊藤さん。
セレンシーの革技術は現在、国内空港の発着ロビーに置かれている椅子や各建築現場など、一見するとわかりづらいと思えるような場所で活躍しているという。
「たとえば今まで飾りタイルを使っていたような場所に革を使うでしょう。そうすると、あったかさが出る」素材を違う分野へ応用させていこうとすることは、簡単な道ではない。「今までなかった所に道をつくろうとしているんだから、時間もエネルギーもかかる。だけどそれは仕方のないこと。その道が、次に繋がっていく」
日本の革を、未来へ。十年先、百年先へその技術やものを繋げていくために、セレンシーが今、新たな道を歩き始めた。
裏付けされた確かな技術力で、一人の職人が手作業で一つの鞄を仕上げるのがセレンシーのこだわり。
会長の愛用するパイソンの鞄は、十年物。上質な革は力を加えても傷つかない。
こちらも会長愛用、時を経て使い込むことで艶の増した丈夫で美しい名刺入れ。
イギリスのアンティーク家具にクロコダイルの革を張った、ラグジュアリーな魅力漂う椅子。
一面にずらりと並ぶ革は爬虫類のものが中心。