Care: Troubleshooting 6
トラブルシューティング6:濡らしたら水ジミができてしまった!
2011年発行 「日本の革 4号」より
革製品は基本的に水に濡らすのはNGといわれる。それは水が乾くと革の中に染み込んでいた汚れや油分が、濡れた部分と乾いた部分の境目に析出してシミになるからだ。こうしたシミは表面の汚れと違って、表面を磨くだけでは落ちない。
こうした水ジミを落とすには革全体を水で濡らしてその汚れや油分をその場所から動かして取り除くのが一番。そのため、革にたっぷりと水を含ませるのがミソ。その部分だけ濡らすと、濡らした部分の縁がまたシミになるので、とにかく全体を濡らしてしまうことが肝要だ。
革が濡れることで浮いた汚れを取り除いたら、完全に乾かして保革クリームなどで再び適度な油分を与えれば元通りになる。
しっかり使いこまれ、手垢などでやや黒ずんだ二つ折り財布。外で付いた雨滴やテーブルの上でコップから飛んだ水滴の跡が、シミとなって表面にしっかり残ってしまっている。