Care: Troubleshooting 1

Care: Troubleshooting 1

トラブルシューティング1:起毛レザーに付いた汚れが気になる!

トラブルシューティング1起毛レザーに付いた
汚れが気になる!

2011年発行 「日本の革 4号」より

汚れ落としは全方向に
仕上げは一方向で整える

起毛レザーは汚れが付きやすく、染み込みやすい。また、表面が滑らかではないため磨きあげるといったことができず、メインテナンスはブラシをかける程度のことしかできない。そのため普段から扱いには少し気を遣う必要があるだろう。
メインテナンスは基本的に使っているうちに寝てしまった毛を起こし、その間にある汚れをかき落とすことになる。ブラシは汚れを落とす時にはあらゆる方向にかけるが、仕上げの時には毛並みを考えて一方向に動かすようにしよう。また、起毛レザーは水を弾かずすぐに染み込んでしまう。そこで日常的に皮革用の防水・撥水スプレーをかけておくことで、水ジミを防ぐようにしておきたい。

スエードのデザートブーツ。パッと見にはあまり汚れていないように見えるが、よく見ると足の甲部分の色合いが黒ずんで見える。雨で毛足も寝ていて、靴の形がぼんやりとして見える。

Step 1. まずは靴ヒモを外す

ベロの部分までしっかりブラシがかけられるように、靴ヒモを外す。これをサボるとベロの部分にずっと汚れがたまって、革に染み込んで取れなくなってしまう恐れがある

Step 2. シューツリーを入れておく

型崩れを防ぐためにシューキーパーを入れる。必ず靴の形に合ったものを使うこと。大きいサイズのものを無理やり入れると、革を伸ばしてしまうことになるので要注意

Step 3. ブラッシングで汚れを落とす

ブラシを使って汚れを落としていく。汚れを落とす目的の場合、特に毛の向きを考えずにあらゆる方向からかける。寝た毛を起こし、汚れをかきだすようにブラシを動かす

Step 4. 落ちない汚れは生ゴムで

こびりついた汚れはスエード用のゴムでこすり落とす。ゴムが汚れてきたらゴムの場所を変えていく。強く当てても構わないが、跡が付くので周囲とのバランスを見ながらかける

Step 5. 防水スプレーで防水防汚

全体の汚れが落ちたら皮革用の防水スプレーをかける。起毛のレザーは表面が滑らかな革と異なり水滴がすぐに染みてしまう。そのため防水スプレーはぜひともかけておきたい

Step 6. 最後に毛の目を整える

防水スプレーが乾いたら、最後に再びブラシをかけて毛並を整える。ブラシをかけるときには、縫い目などの細かいところにもきちんと当てるように意識する

Step 7. 完成!

ブラシをかけて毛の目を整えるだけで見違えるようにきれいに見える起毛レザー。汚れを沈着させないためにも、こまめなブラッシングと防水スプレーをかけることを心掛けたい

起毛革の汚れに効くケアグッズ

1.防水だけでなく汚れが付くのを防ぐのにも効果的な皮革用の撥水スプレー。コロニル皮革防水スプレー(¥1,890)。
2.毛足が非常に細かく金属製ながらとても柔らかいリン青銅製ブラシ江戸屋スエード・ヌバック用(¥2,940)。
3.こびりついた汚れを落とすのに必要な汚れ落とし用生ゴム。スエード・ヌバック用ラバー50mm×50mm(¥420)。
4.型崩れを防止するシューキーパー。DASCOシューツリーアルバニー(¥12,600)

シミは全体を濡らして落とす

スエードやヌバックといった起毛レザーは一度濡れて乾くと、濡れた所と濡れていない所の境目がシミになりやすい。こうしたシミは全体を濡らしてシミの汚れを浮かせて落とし、日陰で乾かすといい。

取れないなら染めてしまうのも手

起毛レザーを使い込んでいくと、メインテナンスしても落ちない汚れが付いてくることもある。そんな時には思い切って染め直して汚れを目立たなくするという手もある。

This site is registered on wpml.org as a development site. Switch to a production site key to remove this banner.