Care: Storage
ストレージ:使わない時こそ気を抜くな! 保管編
2010年発行 「日本の革 3号」より
お気に入りのレザーアイテムを、好きなときに最高のコンディションで使うためには、保管のときこそ気を抜かないことが不可欠。ちょっとしたひと手間で、毎回気持ちよく使うことができ、革製品ならではのアジが増していくのだ。保管の大ポイントは、しまう前にきちんとベーシックケアを施すことと、保管の際の型崩れに留意すること。汚れをきちんと取り除き、防虫、防湿、防臭などの策を講じたうえで、そのアイテム本来のキレイな形をキープしつつ収納することがすべてなのだ。
「タンスの中にしまっていても、扉を開けるたびに蛍光灯の灯りを浴びることで変色しますよ」
それくらい繊細なものだと肝に銘じて、愛しのわが子を育てていこう。
約5年間使い込んだ鞄。収納に気を配っていなかったため、底部分が若干つぶれている。
ハンガーにかけた状態で長期間重力に引っ張られることになるウエアは、ハンガー選びが最大のポイント。革に食い込んでしまう細いハンガーは言語道断だが、特に気をつけたいのは肩幅。サイズの合わないものにかけて保管していると、ハンガーの形に革が変形してしまう。事前のチェックを怠らないこと!
ジャケットの肩幅に合ったハンガーを選べば、本来のキレイなシルエットのまま保管できる。対して、大きすぎるハンガーだと肩がポコッと飛び出し、このままの形に変形してしまう。
嫌なクセがついてしまった場合はアイロンで直せる。低温から中温で、必ず布の上からアイロンをあてる。
濡れてから急激に乾くと革は変形してしまうので、スチームは厳禁!目立たないところで試してから実践を。