Knowledge: Serendipity
セレンディピティ:運命の一足と出合うために 解“靴”新書
2014年発行 「日本の革 7号」より
革は履き込むうちになじみ、甲を包み込むようになる。グッドイヤーウエルトなら多くはコルクを充填しており、歩行の加重により、沈み込んであなたの足裏の凹凸をも再現する。
いい靴には、ロングスパンで付き合ってもらうことを前提とした設計思想がある。これを宝の持ち腐れとしないためには、まずは自分の足に合った靴を見きわめる知識が必要である。また、靴の製法にはいくつかあり、製法によって履き心地も寿命も変わる。製法を知ることも大切だ。デザインの違いも知っておいて損はない。
もちろん一生モノとするためには、日々の手入れと、トップリフト(踵の先端についたラバーピース)など消耗品の交換時期を見逃さないことが前提だ。
見るべきところを見ることで、自ずと選択肢は絞られる。靴をぐるりと回しながら、ポイントを見ていこう。
紳士靴のおもなデザインがこちら。右へ行くほど、カジュアル色が強まる。ビジネスシーンなら左3足が一般的。