Creative: Ichitogo Manufacture

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イチトゴマニュファクチャー:祕められた 日本の美意識を かたちにする

イチトゴマニュファクチャー祕められた
日本の美意識を
かたちにする

日本人だからこそつくれるものがある。
職人をリスペクトしてやまないイチトゴマニュファクチャーでは、
その技術を凝集したものづくりが行なわれている。

2014年発行 「日本の革 7号」より

風琴マチ、ネン、菊寄せ――。これら日本の職人の技は、一見して目に入るものではないかもしれない。だが、細部に施された工夫が機能性と見栄えを向上させる。いかにも日本人らしい、隠れた部分へのこだわりが価値を生んでいるのだ。
こうした日本の職人の感性を全面的に打ち出しているのがイチトゴマニュファクチャーのものづくりだ。代表の髙崎さんは言う。
「目に見えにくい部分にこだわる日本人の気質は、素晴らしい文化を生んでいると思います。そのひとつがものづくり。この歴史ある手工業をもっと活性化させ、職人さんに活躍してほしい。そのための場をつくりたかった」
同社ブランドのAlt81の製品を見てみれば、その言葉が腑に落ちる。例えば、小物などに使われているくるみ玉(玉縁)と呼ばれる技法は、コバを丸く包むことで上品な印象と上質な手触りを与えてくれる。着物を痛めないように、との気遣いから近世に生まれた技法だ。ヘリと平行に引かれた線――ネンは、製品の表情を引き締め、かつヘリを剥がれにくくする。いずれも腕利きの職人の手によるものだ。「これらは機械だけではできない技術です。想いや個性が宿った製品からは、つくり手の姿が透けて見える。機械化されシステマチックになっていく時代の中で、手作業は温かな光を放っていると信じています」
卓越した手仕事が、厳選された革やムダのないフォルムと融合する時、日本人の精神は革製品として具現化する。最後に、同社の理念を紹介しよう。
「この場所で確かな手工業を続けていく」

Alt81という名は、代替品を意味するalternativeから、81は日本の国際電話番号コード。「日本の文化が現れた物」の意だ。

極力ムダをそぎ落としたからこその、品格ある立ち姿。オリジナルの革を使用し、手塗りによる独特のムラ感が風合いを醸し出す。ハンドルや底部まで、細部のいたるところに匠の技が込められている。72,000円

重厚かつ美しい真鍮鋳物のバックルを使用したベルト。斜めにカットした「深面取り」のコバがアクセントに。13,000円

くるみ玉が施された名刺入れ。柔らかな丸みにシルキーカーフのやさしい質感。素材と技術が調和した逸品だ。(参考商品)

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