素材となる牛の原皮、なめし、製造の全工程に至るまで、すべてを国内で行う靴づくり。聞こえはいいが、「高価になってしまうのでは」という懸念を抱く方は多いことだろう。しかし、アリストプリモの靴はむしろその逆。分業制である靴の製造を近隣の職人でまかない、客に直接販売する新しいシステムを構築、一般的な商品にかかる流通コストを抑えた価格で提供しているのだ。代表の早川貴寛さんはいう。
「うちの会社がある浅草は靴の街。だからこの辺りですべて完結できるんですよ。近いからこそ目も届きますし、職人さんの丁寧な技術も素晴らしいんです。つくり手が恥じた仕事をしない限り、お客様にはご満足いただけるはずですから」
ブランドの母体となる大和商事は靴底材加工会社。3代目にあたる早川さんが「メイドインジャパンの靴を世界に発信したい」という思いでブランドを立ち上げた経緯がある。「うちはすべてセミオーダー。ショールームまでお越しいただき、足を計測することから始めます。ベースのデザインを選んでいただいてから、革、ステッチ、底の仕様など、細かな打ち合わせをするんですね。縫製、コバの仕上げ、裏の磨き、細かなことかもしれませんが全ての工程に手を抜かないので完成品は格別にキレイですよ。履き心地も全く違います」
まさに日本の技術の集大成。リピーターが多いというのも納得である。